突然ですが、ここ暫く禁酒しています。
ただ、何処のメーカーとは言いませんが、禁酒前に買った500mlの発泡酒が一本だけ冷蔵庫に入っているんですよね。
私以外の家族は、あまり酒を飲まないので、いっこうに無くならないんですよね。そうは言っても、もともとが貧乏性なんで折角買った物を捨てるのも忍びないんですよね。
だから、冷蔵庫を開けるといるんですよ…、牛乳のお隣に!
だから、冷蔵庫を開けると揺らぐんですよ…、私の決心が!
…まぁ、そんなこんなで、冷蔵庫を覗く度に、目について仕方がないので、今回は、この妖怪の話を書こうかと思います。
正直、妖怪と言っていいのかどうか微妙な所ではありますけどね。
「本草綱目」によれば、麒麟は、瑞獣(めでたきけもの)にて、麕(くじか)の体に牛の尾、馬の蹄を持っている。体は五彩で腹の下は黄色である。高さは1丈2尺、蹄は円く、角は1つである。角の端に肉がある。鳴き声は、鐘呂(楽の音律)と一致し、行動は規範に合致し、遊ぶには必ず地を選び、その場所を熟知した上で、その場所にいる。生きた虫を踏まず、生きた草を踏まず、群居せず、仲間とともに行動することもない。落し穴に落ちる事もなく、網にかかることもない。王者の政治が仁にかなえば、必ず、あらわす。とあります。
また、「和漢三才図絵」には、毛のある動物は360あり、麒麟はその長である。とも書いてあります。
雌を麒と呼び、雄を麟と呼び、麟には角があり、麒には角がなく、雄が鳴く事を遊聖といい、雌が鳴く事を帰和という。その中で、春に鳴く事を扶幼、秋に鳴く事を養綏(ようすい)と呼ぶとの事です。
また、「広博物志」には、青い麟を聳孤(しょうこ)と呼び、赤いのを炎駒、白いのを索冥といい、黒いのを角端、黄色いのを麒りん(麒麟と漢字違いですが、残念ながら我が家の文字パッドに漢字が見つかりませんでした)と呼ぶ。また、中でも黒い麒麟、角端は、日に1万八千里をゆくともあります。(三才図絵)
「五雑組」によれば、鳳凰、麒麟は、交尾せずに生まれ、世に稀であり、王者の兆しとされ、一方、龍は神物ではあるが、常に存在していて、麒麟よりは見る機会があると書いてあります。
この記述で気になったのが、王の政治が仁にかなった時は必ず姿を現すの下りですが、
「なるほど、だから、昔から滅多にお目にかかれないんだ!」と納得してしまいました。
逆にいえば、「こんな動物が出てくるぐらい、仁と政治が合致する事は稀な事だ。いや、もとい、ありえない事なのだ」というような、諦観とも取れるような、アイロニーを感じてしまうのは僕だけでしょうか?
※書物によっては、雄が麒、雌が麟と書いてある書物もあるそうです。どっち、本当なんでしょうね?